刺繍やクロスステッチを製作中、裏側が汚いのが気になるときはありませんか。
仕上がった刺繍を額縁などにいれて飾るだけならば、表側さえきれいに仕上がっていればOKに思えます。
しかし、衣類や小物類の装飾としてステッチする場合には、裏側が完全に隠れるわけではありません。できれば裏もきれいに見えるようにしたいですよね。
裏側に渡っている糸がごちゃごちゃしていると、作業中に糸が絡まったり、余計な糸の端が表側に出てきてしまったりといったトラブルの原因にもなります。
この記事では、裏面もきれいに見せる刺し方のコツを、刺し始めのやり方を中心に写真も交えて紹介します。
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①裏面をきれいに見せる刺し始めのコツ
使用する糸が偶数本の場合
使用する糸が、2本取り、4本取り、6本取りなど偶数本の場合に使える方法を紹介します。
1)使う本数の半数の糸(例:2本取りの場合は1本)を、使いたい長さの倍の長さ(例:ステッチに30㎝必要な場合は60㎝)で切ります。
2)糸を半分に折って、写真のように片方を輪にします。

3)輪になっていない方を針に通し、輪が裏面に来るように裏から針を入れ、輪の部分が3㎝くらいになるまで糸を引きます。
次に、その輪のすぐ横の位置に表側から針を入れます。

4. 輪になっている部分に針を通します。

5. 糸を引きます。
糸を引いたところの裏面はこんな感じ↓

表面はこんな感じになります↓

6. 右側に進むステッチの場合は表に出ている糸のわずかに左側、左側に進む場合(バックステッチなど)はわずかに右側に針を出します。
写真はアウトラインステッチの例なので、右側に針先が出ています。

7. あとは通常通り図案に従ってステッチをしていきます。
表はこのようになります。6)で見えている部分はステッチに隠れて見えなくなっています。

この方法は線を刺繍するアウトラインステッチやバックステッチ、チェーンステッチのほか、面を刺繍するサテンステッチ等でも幅広く使うことができます。
②裏面をきれいに見せる刺し始めのコツ
使用する糸が奇数本の場合
刺し始めは①の方法が汎用性もあり便利なのですが、使用する糸が1本取り、3本取り、5本取りなどの奇数の場合には残念ながら使うことができません。
そこで次に、糸が奇数の場合の刺し始めのコツを紹介します。ただしこちらは線を刺すときには不向きで、面を刺す場合にのみ使える方法となります。
1. 刺し始めに、裏面に糸端を10㎝程残し、指で糸端を進行方向に向けてピンと張っておきます。

この写真では左側に進んでいくので、糸を左方向に引っ張っています。
引っ張っている糸を割らないように注意しながら、図案に合わせて針を引っ張っている糸のやや上の位置に入れます。
2. 裏に渡る糸で刺し始めの糸端を押さえながら刺繍を進めていきます。
3. 3~4目分刺したら余っている糸を切り落とし、そのまま図案を刺していくと、刺し始めの糸端が刺繍の部分に隠れて見えなくなります。
写真は3目分刺繍して余分な糸を切ったところです↓

まとめ
刺繍の裏側がごちゃつく一番の原因は、刺し始めと刺し終わりの糸端にあります。
今回紹介した2つの方法では、刺し始めの糸端が裏面に出ることがありません。
そのため、刺し終わりをステッチの裏側の糸に数回絡めて糸端を切るという一般的な方法で処理したとしても、裏面に出る糸端の数が半減することになります。
糸端の数が減るだけでもかなりスッキリします。刺し始めの位置で裏に糸端が出ないこちらの方法をぜひ試してみてください。
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